こんにちは。いなパンです。
私が米国集中でなく世界分散投資をしている理由についてまとめたいと思います。
米国集中か全世界株式に投資するか悩んでいる人
それではまず今回の要点です。
- リスクの低減効果がある
- リターンを高めながらリスクを減らす可能性がある
- 世界の情勢がどうなるか分からない
まとめ!
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【理由①】世界の情勢が今後どうなるか分からない
理由の1つ目は、世界の情勢が今後どうなるか分からないためです。
1900年はイギリスが25%を占めていましたが現在は6%です。
アメリカも1900年は15%しかありませんでした。
また1990年頃は日本が株式の多くを占めていた事が分かります。
このように長期で見るとどの国が世界の資本の中心を占めるかは分かりません。
世界の人口・生産(GDP)・株式資本の偏り
人口の国別シェア(2005年)です。
先進国全体 | 14.8% |
途上国全体 | 85.2% |

出典:株式投資 第4版
こちらはGDPの先進国と途上国のシェア(2006)です。

出典:株式投資 第4版
株式資本の先進国と途上国のシェア(2007)です。

出典:株式投資 第4版
したがって中国やインドといった発展途上国の国々が、今後世界経済の中心となる可能性も十分に考えられます
【理由②】リスクの低減効果がある
理由の2つめはリスク低減効果があることです。
アメリカ以外の国、特に新興国の経済は毎回アメリカの株価と同じ方向に動くという事はないからです。
例えば、石油や他の資源価格の高騰はヨーロッパ・日本・アメリカ経済に大きな打撃を与えました。
しかし、一方で石油価格の値上がりは、インドネシアや中近東の産油国の経済には大きなプラスになっていました。
また、アメリカの株式のみの場合と比べて世界の主要国株式を含めた場合の方が、リスクが低い事がこちらの図から分かります。

出典:ウォール街のランダム・ウォーカー
【理由③】リターンを高めながらリスクを減らす可能性がある
理由の3つ目は、分散をする事でリターンが高まり、リスクを減らすことも出来る可能性があることです。
例えばこの図を見てください。

出典:ウォール街のランダム・ウォーカー
S&P500と先進国株式の比較はこちらです。
下記2つの比較 | 平均リターン | 年間変動率(安全性) |
S&P500 | わずかに低い | 高い |
先進国株価指数 | わすかに高い | 低い |
安全度が高いS&P500に先進国株式を混ぜてみます。
少しの間はリスクの高い先進国株式が増えているのにリスクも下がっている事が分かります。
これらは、例えば「アメリカ市場で日本車のシェアが高まっている期間に日本の自動車株を組み入れておけば、その高いリターンがアメリカの自動車株の低いリターンを補ってくれる」というようなことです。
理由④最も効率的なポートフォリオであるから
現代ポートフォリオ理論では、市場そのものが最も効率的なポートフォリオであると結論づけられています。

【反論】世界の株価は連動しているため分散にならない。
図5.図6を見てください。
こちらはアメリカと主要先進国・主要新興国の連動率を調べた図です。
出典:ウォール街のランダム・ウォーカー
図5 :アメリカの株式(S&P500平均)と主要先進国株式(EAFA指数)

図6:アメリカ株式(S&P500平均)と主要新興国株式(MSCI指数)
2007年から2009年にかけての世界的な信用危機の局面では全ての市場が同時に下落したことがわかります。
つまりアメリカと先進国・新興国の株価は連動しているといえます。
しかし、全く同じに連動しているわけではありません。
そして、幅広い分散投資によって十分高いリターンを得る事ができたこともあります。

S&P500平均だけに投資した場合には、2000年代最初の10年間はマイナスのリターンでした。
しかし、同じ時期に新興国株式に幅広く分散するインデックスファンドに投資した場合は、申し分のないリターンがあったのです。
これは米国株式にとって「失われた10年」においても、世界に幅広く分散することでリスクを抑える事ができた一つの例です。
まとめ
【結論】米国集中でなく世界分散投資をする方が長期でみてリスクを少なく世界全体の株価上昇の恩恵を受ける事ができる。
- リスクの低減効果がある
- リターンを高めながらリスクを減らす可能性がある
- 世界の情勢がどうなるか分からない
まとめ!
